2008年10月19日

夜の舗道


「岸田屋」の帰り道、月島西仲通り商店街を過ぎ、都営大江戸線「勝どき」駅に向かって。

2008年10月18日

岸田屋


大衆酒場と言えば煮込みである。俗に東京三大煮込みと言われているのが北千住の「大はし」、森下の「山利喜」、そしてここ月島の「岸田屋」だ。居酒屋関連の著作が多い太田和彦氏の提唱らしいが、これまで「岸田屋」だけが未訪であった。幸いオフィスが歩いて行ける距離に移転したので、昨日、念願の訪問となった。最近では門前仲町の「大坂屋」と立石の「宇ち多゛」を加えて東京五大煮込みとも言われているようだ。


これが名物の煮込みである。牛モツ(シロ)を中心にフワ(肺)、ナンコツ、蜂の巣など数種類の部位が年季の入った出汁で煮込まれている。「大はし」の煮込みにはあまりピンと来なかったし、「山利喜」のものは抜群に美味しいけれど、どちらかと言うとシチューに近い。この「岸田屋」のものは正に煮込みの王道だ。ほんのりと上品な甘みがあり、どの部位も適度な硬さに煮込まれており文句無く美味しい。ビール、焼酎、日本酒、どの酒にも合う。注文の際にネギを入れるかどうかを聞かれるが、この煮込みでは入れるべきではないだろう。ネギの強烈な香りが微妙な味わいを消してしまう可能性があるからだ。


店内はコの字カウンターと右の壁際にもカウンターがあり、20人程度で満杯になってしまう。この日は17時開店と同時に入店する客が一巡する頃を狙って18時半頃に訪れたが、右のカウンターに2席ほど空席があるだけだった。19時頃から席を立つ客が増え始めたので、開店2時間後程度が狙い目のようだ。この日注文したのは煮込みとクサヤの二品だけだったがこれで充分だ。でも、煮込みと並んで肉豆腐も名物なので是非とも近い内に再訪したい。